栄養分析って何?栄養分析にかかる費用や利用するメリット・デメリット、注意点を解説

「医食同源」という言葉は多くの人が知っていると思います。その言葉の通り、日頃の食事は健康を左右する大きな役割を担っています。そのため、食事に含まれている栄養について詳しく知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか?そこでこの記事では、栄養分析について、および栄養分析にかかる費用や利用するメリット・デメリット、注意点を解説します。

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栄養分析とは

食品や飲料の成分を評価し、その栄養価を判断することを栄養分析といいます。栄養分析は、食品製造・販売を手掛ける企業が、食品に関する情報を提供するために行うのが一般的です。具体的には、スーパーなどで販売されている加工食品などに記載されている栄養成分表などが挙げられます。

しかし中には、個人の健康管理やパフォーマンスの向上を目的に利用するケースも見られます。栄養成分表には、たんぱく質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの主要な栄養素の含有量が表示されてます。一般的に100gあたりの栄養成分を示していますが、場合によっては1食分や1食品パッケージあたりの値が表示されることもあるので注意しておきましょう。

栄養成分を分析する際には、主に化学的な手法が使われます。具体的には、タンパク質の含有量を測定するためには、ケイヒン法やブロムクレゾールグリーン法などです。脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどその他の栄養素も化学的手法によって測定されます。

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栄養分析にかかる費用

栄養分析にかかる費用はサービス内容や利用先によって異なるため、今回はサービス内容ごとの相場(必要検体100gの場合)をお伝えします。また、分析に要する期間によっても費用は異なります。ちなみに、一般的な検査期間は7日間~10日間です。

#基礎成分まず、栄養素の基礎成分を分析する際の費用相場をお伝えします。エネルギー、たんぱく質、炭水化物、脂質、灰分、水分、食塩相当量の7項目をまとめて栄養分析する場合の費用相場は、9,500円~11,500円です。

エネルギー・炭水化物のみの場合は9,000円、タンパク質・脂質・食塩相当量が4,000円、水分・灰分は2,500円が相場となっています。

ちなみに、食物繊維の栄養分析は、プロスキー法を用いた場合では20,000円、プロスキー変法は41,000円、酵素-HPLC法は52,000円が相場です。#糖続いて、糖の栄養分析にかかる費用相場を紹介します。

果糖、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ガラクトースは各6,300円が相場です。全ての糖をまとめて分析する場合は、35,000円が相場となっています。#油脂次に、油脂の栄養分析にかかる費用相場をお伝えします。

パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸が各2,000円、DHAおよびEPAは6,000円、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸 100g、カプロン酸は各2,000円です。

#有機酸有機酸の栄養分析の費用相場は、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸が各5,000円、コハク酸は17,000円です。#ビタミンビタミンの栄養分析をする場合の費用相場は、ビタミンAが14,000円、ビタミンB1・B2は9,800円、ビタミンB6・B12が20,000円、ナイアシンは16,000円、パントテン酸が20,000円、総ビタミンCは11,500円です。

ビタミンDは28,000円、ビタミンEが15,000円、ビタミンEは18,000円、ビタミンKが27,000円、葉酸の場合は17,000円となっています。

ちなみに、葉酸以外は50gで分析した場合の相場です。

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栄養分析を利用するメリット

栄養分析を利用するメリットは、健康的な生活習慣を促進できるということです。栄養分析をすることにより、必要な栄養素を十分に摂取する、バランスの良い食事を心がけるなど、栄養バランスを意識することができます。

栄養不足や栄養過剰の予防ができるというメリットもあります。栄養分析を受けた後、栄養目標を設定すれば何の栄養が不足しているか、また摂取し過ぎている栄養は何なのかが一目瞭然です。栄養不足や栄養過剰は肥満や慢性疾患など、健康上のリスクを高める可能性があります。

そのため、事前に栄養状況を知っておくことでリスクを回避できるのです。また、栄養目標を設定することにより、スポーツパフォーマンスの向上にも役立ちます。例えば、筋力や持久力の向上、回復力の促進、ケガの予防などです。

栄養分析をすることで各栄養がもたらす効果を認識し、それぞれの目的に合った食事プランを組むことができます。

栄養分析を利用するデメリット

栄養分析を利用するデメリットは、必ずしも正確であるとは言えない点です。栄養分析は化学的な手法を使用して行われますが、状況次第では数値に誤差が生じる可能性があります。例えば、利用する機関やサンプルの品質、測定手法により、誤差が生じてしまいます。

また、食品の栄養成分は品種や栽培方法、加工方法などによっても異なります。コストと手間がかかるという点もデメリットといえるでしょう。栄養分析サービスを利用する場合、専門的な知識や機器が必要であるため、無料で利用することはできません。

一般的には数千円~数万円かかるので、事前に予算を組んだうえで利用することが大切です。栄養分析は通常、生の食品を対象に行われますが、加工や調理の方法によって栄養成分が変化することがあります。例えば、加熱具合や利用する調味料により、新たな成分が生成されたりするため、実際に食べる際の栄養価とは異なる場合があるのです。

そのため、栄養分析で算出されたデータを利用しても、必ず満足する効果や成果へとつながらない可能性があります。

『栄養分析結果を無料でチェックする方法をみつけよう!』

栄養分析を利用する際の注意点

栄養分析を利用する際の注意点としては、まずサービス性の良し悪しが挙げられます。企業によっては実績が少なかったり、信頼性の高いサービスを提供していなかったりするケースもあります。そのため、事前にレビューや評価などを参考にして正確な栄養成分情報や信頼性のある食品データベースを提供しているかを確認しておきましょう。

また、食品サンプルを適切に取り扱うことも大切です。サンプルの品質によっては、測定結果が変化することもあります。そのため、食品の採取方法や保管方法など、サービスを利用する企業や研究所の指示を厳守した上で利用するようにしてください。

栄養分析を利用する際には、メリットデメリット、注意点を考慮しておこう

栄養分析を行っている企業や研究所は数多くあるので、事前に費用やサービス内容を把握しておくことが大切です。複数の栄養素をまとめて分析する場合は、利用料金が割安になるケースもあります。また、満足度の高いサービスを利用するためにも、あらかじめ栄養分析を利用するメリット・デメリット、注意点を認識しておきましょう。