栄養分析とは?成分表示の見方や計算方法を徹底解説!

私たちの体は私たちが日々食べているものによってつくられます。病気や不調を改善したい、理想の体を作りたいという場合には、普段摂取している食事にはどのような栄養素が含まれているのかを知ることが大切です。そこで今回は、栄養分析とは何か、栄養分析の結果の数値を確認する際に注意するべきポイントなどについて詳しく解説します。

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栄養分析とは

栄養分析とは、食品や飲料に含まれている栄養成分を検査し、その栄養価や成分を数値化することです。栄養成分分析と呼ばれることもあります。こうした栄養分析を行う目的として挙げられるのは、栄養バランスの評価です。

たとえば、食事療法や栄養指導がその主なケースとして挙げられます。栄養分析を行えば、特定の栄養素の摂取量を評価し、不足している栄養素を補うための食事の改善やアドバイスが提供できるからです。また、特定の疾患やアレルギーに対応した食事プランを作成する際にも栄養分析が重要な役割を果たします。

こうした栄養分析は、一般的に各食品の検査機関で行われます。

栄養成分表示とは

栄養分析の結果を確認する際、その重要な情報源となるのが栄養成分表示です。栄養成分表示とは、食品や飲料のパッケージやメニューなどに記載される、その製品の栄養成分や栄養価に関する情報のことを指します。栄養成分表示は、一般的に100gまたは100mlあたりの量で表示されます。

また、食品パッケージに1食分あたりの栄養成分が表示されていることも多いです。栄養成分表示には、さまざまな栄養成分が項目として記載されています。たとえば「エネルギー」はカロリー(kcal)として表示されるエネルギー量です。

「たんぱく質」は、製品中のたんぱく質の量を示します。「脂質」には、脂質の総量や脂肪酸の種類(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸など)、脂質の一部であるコレステロールなどが表示されます。「炭水化物」は、炭水化物の総量や糖類の量、食物繊維の量です。

「ビタミン」の項目には、ビタミンAやビタミンC、ビタミンD、ビタミンEといったビタミンの量が表示されます。「ミネラル」は、カルシウムや鉄、亜鉛、カリウムといったミネラルの量です。そのほか、「その他の栄養成分」としてナトリウム、コレステロールなど、特定の成分に関する情報が表示されることもあります。

機能性成分とは

栄養成分と似た言葉に機能性成分があります。食品や飲料の中には、この機能性成分が表示されることも多いです。機能性成分とは、食品や栄養補助食品などに含まれる、特定の健康効果や生理的機能を持つ成分のことを指します。

健康維持や特定の疾患の予防・改善に寄与するとされています。これらの成分は、特定の栄養素だけでなく、生化学物質やハーブ、植物由来の物質などさまざまです。主なものとして、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンE、心血管機能改善効果のあるオメガ-3脂肪酸、免疫機能の向上に関与する亜鉛などが挙げられます。

どのようなものがあるのか、その機能別にそれぞれ詳しく解説しましょう。まず挙げられるのは、抗酸化物質です。抗酸化物質には、ビタミンCやビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどがあります。細胞への酸化ストレスの軽減や老化の防止に関与するとされています。

免疫機能向上成分は、免疫システムの正常な機能をサポートし、感染症への抵抗力を高めるとされている成分です。亜鉛やビタミンD、プロバイオティクス(善玉菌)などが挙げられます。心血管機能改善成分には、不飽和脂肪酸(EPA、DHA)やポリフェノールなどがあります。

血圧の調節やコレステロールの改善など、心血管の健康状態に関与するとされている成分です。腸内環境改善成分は腸内の善玉菌の増加や腸内環境の改善に寄与し、消化や排便の健康に関与するとされています。オリゴ糖や食物繊維などです。

そのほか、骨や関節の健康成分としてカルシウムやコンドロイチン、グルコサミンなどが挙げられます。骨密度の維持や関節の潤滑性の向上に関与するとされている成分です。

栄養分析結果の確認方法

栄養分析結果の確認は、一般的に以下の手順で行うことができます。まず、食品の成分表を入手します。多くの場合、栄養成分表は食品包装に記載されています。そのほか、公的なデータベースや専門のウェブサイトで入手できることもあります。

成分表に記載されているのは、たんぱく質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養成分です。次に、食品の重量を測定します。栄養成分を計算するためには、使用する食品の重量を正確に測定しなければなりません。

キッチンスケールや計量カップを使用するとよいでしょう。重量を測ったら、単位量あたりの栄養成分を計算します。成分表には通常、100gあたりまたは100mlあたりの栄養成分が記載されています。そのため、計量した食品の重量を100gまたは100mlで割り、栄養成分を計算しなければなりません。

たとえば、食品が50gでたんぱく質が100gあたり10gと記載されている場合、50gを100gで割り、その結果に10gをかけてたんぱく質の量を計算します。成分表に記載されている栄養成分が他の単位(例:1個、1杯)に対しての場合には、食品の重量との比を計算し、栄養成分を算出します。

たとえば、成分表に「1個あたりのたんぱく質:5g」と記載されているとしましょう。その場合、食品が2個であれば、食品の重量と比を計算して、たんぱく質の量を求めます。複数の食品や成分を組み合わせる場合は、この計算を各食品それぞれに行い、各食品の栄養成分を足し合わせます。

栄養分析結果の確認を行う際に注意するべきポイント

栄養分析結果の確認を行う際にはいくつか注意するべきポイントがあります。まず挙げられるのは、正確な重量を測定することです。推定や目分量ではなく、キッチンスケールや計量カップを使用しましょう。また、成分表も正確なものでなければなりません。

栄養成分表は、通常は食品パッケージに記載されています。記載されていない場合は、公的なデータベースから入手しましょう。最新の情報を得るために、信頼性の高いデータベースや公式の情報源を参照することが大切です。

栄養を確認する際には、加工食品や調理済みの食品、自家製のレシピなど、複数の要素が組み合わさる場合があります。このような場合は、各成分の量を個別に計算し、適切に調整しましょう。また、食材の調理方法や調味料の使用量によっても栄養成分が変化します。

そのことも考慮に入れる必要があります。そのほか、単一の栄養素だけでなく、各栄養素の相互作用も考慮しなければなりません。たとえば、鉄分とビタミンCの組み合わせによって鉄の吸収が向上するなど、栄養素同士の相互作用は栄養価を左右する要素です。

『普段の生活のなかで栄養分析ができるおすすめの方法』

栄養を確認して普段の食事を見直そう!

栄養分析をすることで、日々の食事における栄養バランスを知ることができます。それぞれの成分はどのような働きをしているのか、しっかり理解しておきましょう。また、栄養の確認を行う際には、食品や飲料の重量を正確に測ること、正しい成分表示表を用いて計算することが大切です。

自身が日々どのような栄養素を摂取しているのかを把握し、健康へとつなげましょう。

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